ヒマラヤにはサドゥと言われる出家行者がたくさん住んでいます。
彼らはひげを伸ばし、ルドラークシャを首にかけ、半裸の体にオレンジの衣を纏ったりしているので、良く目につきます。
ヒマラヤでなく、普通の平地にもよくいますので、インドを旅した方は姿を見かけた方も多いのではないでしょうか。
サドゥの中には、明らかにあやしい人も相当な数存在しているのですが、ほんの少数の「本物のサドゥ」は生涯を神にまみえる修行に費やす、聖なる存在です。
個人的な経験から言えば、ヒマラヤの高地に住んでいるサドゥはまともな人であることが多いです。それは環境が苛酷であるために、きちんと修行していないと生きていけないからです。
私が1998年、初めてゴームクを訪ねた時の話です。
ゴームクは、ガンジス川のスタート地点であり、標高4000mのヒマラヤの奥地にあります。
そこで修行している、あるサドゥを訪ねました。
私のヨーガの師の友人でもあるそのサドゥは、私を笑顔で迎え大歓迎をしてくれました。
食べきれないほどのご馳走(ヴェジタリアンカレー)を出してくれ、さらに、たまたま秘境の特集番組取材で来ていた、フランスのTV局のスタッフに(取材を受ける代わりに)雑務をさせていてたのですが、私も手伝おうとすると、「君は、しなくていい。」という特別待遇でした。
大変有意義な時間を過ごし、暇乞いをする際、一緒に写真を撮ってもらいました。
2人で談笑しながら、何枚かの写真カメラのフィルムに収めたのです(当時はまだデジカメはほとんどありませんでした)。
日本に帰り、現像した写真を見たとき、私は青くなりました。
爆笑しながら撮ったはずでしたが、写真のなかのそのサドゥは深い瞑想状態に入っていたのです。
ゆるい表情をしているのは私だけでした。
私は「やられた。」と思いました。そしてこれはそのサドゥからの「お前、このくらい瞬間的に深い瞑想状態に入れるように修行しろよ。」というメッセージだということに気づいたのです。
そのサドゥとは2008年まで、事あるごとにヒマラヤでお会いさせていただきました。
そして、私のヨーガの師が立ち会いの元でという条件で、いくつかの高度な知識や技術などもお教えしてくれました。
今自分が、そのサドゥが納得するような瞑想レベルに達したどうかはわかりませんが、本物のサドゥは、かくも素晴らしい能力の持ち主なのだと、気付かされた経験は私の大きな財産になっています。
本物のサドゥは人間であるということの究極の達人なのです。
(文章:ガネーシャ・ギリ)
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「ガネーシャ・ギリによるインド占星術鑑定」
http://sitarama.jp/?pid=27375902
「ガネーシャ・ギリによるヨーガクラス」
http://sitarama.jp/?pid=30583238
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ガネーシャ・ギリ
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