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アーサナ

馬の顔のアーサナ

私たちが生きるこの時代は、憎悪や狂気、貧困や悪疫など、あらゆる悪が蔓延る暗黒のカリ・ユガにあると伝えられます。
このカリ・ユガの最後、もっとも神聖なシュラーヴァナ月(7月~8月)の間に白馬に乗って現れると信じられるのが、ヴィシュヌ神の化身であるカルキ神です。
カルキ神は、この世界に伝播するあらゆる悪を滅し、新たな黄金の時代の創造を促すと信じられます。

カルキ神が白馬に乗って現れると伝えられるように、インドの神話には、馬にまつわる多くの神話が伝わります。
そして、ヨーガにおいても、馬に関連する取り組みがさまざまに実践されています。
そのひとつが、ヴァーターヤナーサナと呼ばれるヨーガのポーズです。

ヴァーターヤナーサナは、馬のポーズや馬の顔のポーズとして広く知られています。
ヴァーターヤナには馬の意味があり、その完成形の見た目が馬の顔に似ていることから、この名前がつけられたといわれます。

このヴァーターヤナーサナのやり方はさまざまに異なる方法がありますが、立った姿勢から始める場合は、片足を曲げて反対の足の太ももに置き、半蓮華座の状態になります。
そして、半蓮華座になっている方の膝が床につくまで、立っている方の足を少しずつ曲げていきます。
上半身はまっすぐに背筋を伸ばしておきます。
そして、右肘と左肘を包み込むように交差させ、手の平を合わせます。
この姿勢がヴァーターヤナーサナです。

ヴァーターヤナーサナは、柔軟性の向上や筋力の強化、下半身の血液循環を改善する働きがあるといわれます。
加えて、身体の歪みを改善することで、正しい姿勢をもたらすともいわれます。
ヴァーターヤナには空気穴や空中を動くといった意味もあり、このポーズを通じては、馬力に見られるような生命エネルギーの象徴であるプラーナが、身体を効率的に巡ることができるとも伝えられます。

しかし、このポーズは高い柔軟性が必要なことに加え、バランスをとることがとても難しいポーズです。
少しでも集中力を欠き、バランス感覚を失えば、このポーズはいとも簡単に崩れ去っていきます。

その実践は、ヴィシュヌ神の化身であるカルキ神の到来に例えて教えられます。
この馬の顔をしたポーズを通じて生み出すものは、内なるカルキ神以外の何者でもありません。
とりわけ不安定な姿勢の中で強固な安定を見つけるという挑戦は、大混乱の中で平和を生み出す確かな方法を教えてくれるものです。

周囲の世界が歪み崩壊しつつあるとき、私たちは何よりもまず、自分自身に与えられた役割をまっとうする必要があります。
それは、自分自身の内に正義や平和を生み出すことに他ありません。
そうして一人ひとりの内なる世界に善のエネルギーが溢れれば、世界を悪から救うことが可能になります。

ヨーガの実践は、その取り組みにおいて自分自身と向き合い、より良い変化を生み出すことに重要な目的があります。
健やかな心身を生み出すだけでなく、そこには世界の平和を担う価値ある意味があることに気づきながら、こうした取り組みを学んでいきたいと感じます。

(文章:ひるま)

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