インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
अर्जुन उवाच ।
arjuna uvāca |
アルジュナ ウヴァーチャ
アルジュナは言った
arjunas【男性・単数・主格 arjuna】[〜は、〜が]アルジュナ
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】[彼は〜した]言う、話す
अयतिः श्रद्धयोपेतो
ayatiḥ śraddhayopeto
アヤティヒ シュラッダヨーペートー
信仰をもった非苦行者は
ayatis【男性・単数・主格 ayati】[〜は、〜が]非苦行者;制御されない者
śraddhayā【女性・単数・具格 śraddhā】[〜によって、〜をもって]〜に対する信用・信頼・信仰・信念;忠実、真摯、〜に対する欲望・願望;好奇心 【形容詞】(為格)を信仰する、〜を信頼する
upetas【男性・単数・主格 upeta(upa√iの過去受動分詞)】到達した;近づいた;〜に退いた;着手した;〜に赴いた;〜を所有した
योगाच्चलितमानसः ।
yogāccalitamānasaḥ |
ヨーガーッチャリタマーナサハ
ヨーガから逸脱した心をもつ
yogāt【男性・単数・従格 yoga】[〜から、〜より]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
calita【√calの過去受動分詞】震動した、不安定な;動いた;去った、出発した、歩いた;通常の道から逸れた、乱された、(心、感情等の)混乱した
mānasas【男性・単数・主格 mānasa】[〜は、〜が]心、精神
→calitamānasas【男性・単数・主格、所有複合語】[〜は、〜が]逸脱した心をもつ(人)、精神が不安定な(人)
अप्राप्य योगसंसिद्धिं
aprāpya yogasaṁsiddhiṁ
アプラープヤ ヨーガサンシッディン
ヨーガの完成に到達せず
aprāpya【a-pra√āpの未来受動分詞】得られない、到達されない
yogasaṁsiddhim【女性・単数・対格 yogasaṁsiddhi】[〜に、〜を]ヨーガの完成、ヨーガの成就
कां गतिं कृष्ण गच्छति ॥
kāṁ gatiṁ kṛṣṇa gacchati ||
カーン ガティン クリシュナ ガッチャティ
どのような道に行くか、クリシュナよ
kām【女性・単数・対格、疑問代名詞 kim】何、誰、なぜ、どんな、どのように
gatim【女性・単数・対格 gati】[〜に、〜を]行くこと、歩態、前進、動作、行動、飛行;退去、出発;行進、進行;成功;〜の獲得;〜に対する服従;路、進路、小径;出口;根源、根底;手段、方法、可能性;策略;避難所;状態、状況、条件、位置;性質;幸福;輪廻、人間の運命;風習
kṛṣṇa【男性・単数・呼格 kṛṣṇa】[〜よ]クリシュナ神;黒い羊飼い
gacchati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √gam】[彼は〜、それは〜]行く、動く、歩む;去る、来る;止む、死す;〜に近づく、〜に達する、〜を得る
अर्जुन उवाच ।
अयतिः श्रद्धयोपेतो योगाच्चलितमानसः ।
अप्राप्य योगसंसिद्धिं कां गतिं कृष्ण गच्छति ॥३७॥
arjuna uvāca |
ayatiḥ śraddhayopeto yogāccalitamānasaḥ |
aprāpya yogasaṁsiddhiṁ kāṁ gatiṁ kṛṣṇa gacchati ||37||
アルジュナは言った。
「信仰をもちながら、自制できず、心がヨーガから逸脱した者は、
ヨーガの完成に到達せず、どのような運命をたどるのでしょうか。
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