インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
तत्र तं बुद्धिसंयोगं
tatra taṁ buddhisaṁyogaṁ
タットラ タン ブッディサンヨーガン
そこで彼は、知性との合一を
tatra【副詞】そこに;そこへ;ここに;それのために、その場合に、その時に
tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]これ、あれ、彼
buddhi【女性】知能、理解力、理性、知性、精神;識別、判断;沈着、機知;知覚;会得;意見、見解;信仰、確信;想定
saṁyogam【男性・単数・対格 saṁyoga】〜との接続・連合・結合・接触;〜への専心;〜との友好関係・縁故
→buddhisaṁyogam【男性・単数・対格、限定複合語】[〜に、〜を]理性よる精神統一、心の修練;最高精神との知的合一
लभते पौर्वदेहिकम् ।
labhate paurvadehikam |
ラバテー パウルヴァデーヒカム
獲得する、前世になされた
labhate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √labh】[彼は〜、それは〜]捕らえる、遭遇する、発見する;看取する;取得する、獲得する、受け取る
paurvadehikam【男性・単数・対格 paurvadehika】前世に関する、前世に由来する;前世になされた
यतते च ततो भूयः
yatate ca tato bhūyaḥ
ヤタテー チャ タトー ブーヤハ
それから、さらに到達しようと努力する
yatate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √yat】[彼は〜、それは〜]立ち現れる、整列する;競う;(具格)と結合する;(処格)と結合されたいと努める、〜に到達しようと試みる;〜を得ようと努める、〜をしようと努める、〜に専念する、〜を切望する;尽力する;用心する;(対格)に予め備える
ca【接続詞】そして、また、〜と
tatas【副詞】そこで、それから、その後、すると、その時
bhūyas【副詞】一層多く;もっとも多く;大いに、非常に、はなはだ;その上に;なおまた、さらに、その他に、なお一層;再び、新たに
संसिद्धौ कुरुनन्दन ॥
saṁsiddhau kurunandana ||
サンシッダウ クルナンダナ
完成において、アルジュナよ
saṁsiddhau【女性・単数・処格 saṁsiddhi】[〜において、〜のなかで]完成、成就、遂行、成功;(―゜)における完全
kurunandana【男性・単数・呼格 kurunandana】[〜よ]クルの子孫[アルジュナの別名。クルはパーンドゥとドリタラーシュトラ共通の祖先にあたるため、クルクシェートラの戦いでは、多くの戦士はクルの子孫となる。]
तत्र तं बुद्धिसंयोगं लभते पौर्वदेहिकम् ।
यतते च ततो भूयः संसिद्धौ कुरुनन्दन ॥४३॥
tatra taṁ buddhisaṁyogaṁ labhate paurvadehikam |
yatate ca tato bhūyaḥ saṁsiddhau kurunandana ||43||
そこで彼は、前世で得た知性との合一を果たす。
それから、さらなる完成に向かって努力する。
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