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雑記帳

クリシュナ神とシャカタースラ

十方に広がる光彩を持つといわれるクリシュナ神は、その輝きとは対照的に、暗い牢獄で生まれたと伝えられます。
クリシュナ神を産んだのは、聖地マトゥラーを治めていたカンサ王の妹であるデーヴァキーでした。
しかし、カンサ王はデーヴァキーの子どもに殺されると予言されていたが故に、生まれたばかりのクリシュナ神を倒そうと数々の悪魔を送り込みます。
その悪魔の中に、荷車の悪魔を意味するシャカタースラがいます。

これは、シュリーマド・バーガヴァタムに見られる神話です。

クリシュナ神が生後3ヶ月になった頃のことでした。
クリシュナ神は、カンサ王の悪の手から逃れるために、養母のヤショーダーによって守られ、愛情深く育てられていました。
ある時、ヤショーダーは訪れた客人をもてなすために、大きな荷車の陰にクリシュナ神をそっと置きます。
ヤショーダーは、その荷車がカンサ王から送られた悪魔であることに気づくことはありませんでした。

荷車の悪魔であるシャカタースラは、クリシュナ神を地面に押し潰そうと企んでいました。
しかし、クリシュナ神がその小さな御足でひと蹴りすると、大きな荷車はひっくり返りながら崩れ落ちます。
そうしてシャカタースラはいとも簡単に幼いクリシュナ神に倒されてしまいました。
それだけでなく、クリシュナ神の御足が荷車に触れたことで清められ、シャカタースラは救済に導かれたと伝えられます。

一説に、このシャカタースラに見られる悪魔は、過去のカルマによって形作られた私たちの肉体に例えられます。
そこでは、恐怖、悲嘆、慢心、疑心、その他、幾千の思いが重荷のように積み重なり、私たちをきつく縛り付けています。
そのあまりの重さに、日々の中で押し潰されることも少なくありません。

しかし、シャカタースラがクリシュナ神のひと蹴りで解放されたように、常にクリシュナ神を思いながら生きることで、私たちはそれらに縛られることなく生きることが可能になります。
クリシュナ神は、私たちがこの肉体を持ちながら解放という最高の境地に向けて自由に生きていくことを可能にしてくれます。

クリシュナ神が暗い牢獄で生まれたことは、この暗い世の中に灯る光に例えられます。
そんなクリシュナ神を思いながら生きる時、過去の重荷に光を遮られることなく、究極の目的に向かって突き進むことができるはずです。

(文章:ひるま)

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