ドゥルガーやラクシュミー、サラスワティーなど、女神たちはさまざまな姿形をとってこの世界に現れます。しかし、宇宙の根本的なエネルギーである「シャクティ」として大本は変わりません。そしてそのエネルギーは、万物を創造する動的で活発なものであり、生命の源として、私たち個々の内にも存在しています。
シャクティはムーラダーラ(第1チャクラ)に眠り、シヴァはサハスラーラ(第7チャクラ)でその目覚めを待っていると言われます。プラクリティ(物質:女性原理)であるシャクティと、プルシャ(精神:男性原理)であるシヴァの結合が最高の境地であるとして、シャクティの目覚めがない限り、その境地へ達することはできないと、多くの探求者が古くからその覚醒に努めてきました。
季節の変わり目に祝福されるナヴァラートリは、シャクティと向き合うとりわけ吉兆な時にあたります。シャクティは物質であり、変化そのものです。世界を生み出す大自然と繋がり、その変化の中で自分自身を浄化する時、その内にある力強いエネルギーに気づく瞬間が多くあります。欲を制御する断食は特に、精神と肉体を浄化し、そのエネルギーを強く深く感じさせてくれるものです。
シャクティは根源的なエネルギーとして誰しもの内に存在していること、その生命エネルギーにまず気づくことは、何よりもの目覚めに他ありません。自分自身の浄化が第一に成されなければならないということを、ここでも改めて気づかされます。そうして一歩一歩、シヴァに至るための修行が始まります。
シャクティ(プラクリティ)を通じ、世界の展開が生じるのは、永遠の意識への目覚めを得るためであるとも言われます。私たちがこの世界に生じたこと、その目的は、永遠の意識となることであり、目覚めを得るために他ありません。
生きる日々を通じ、自分自身の存在の意味を改めて見直すとともに、こうして与えられる吉兆な時を大切に過ごしたいと感じています。皆さまもどうぞ祝福に満ちたナヴァラートリをお迎えください。
(文章:ひるま)
雑記帳
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