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雑記帳

チトラグプタ神の力

生きる日々においてさまざまな経験を重ねる私たちは、無意識のうちに、その心に深い印象を刻んでいくといわれます。
その印象は、未来の行為に影響を与える心の傾向を生み出すと伝えられてきました。
そうして繰り返される行為には、私たちが肉体を離れた後、死の神であるヤマ神によって審判が下されるといわれます。

ヤマ神は、行為の善悪の記録から死者を裁くダルマの神(正義の神)として崇められます。
その審判は、従者のチトラグプタ神が読み上げる人々の行為の善悪の記録に基づきます。
このチトラグプタ神は、創造神であるブラフマー神の心から生まれたと伝えられる神格です。
膨大な死者の数によって混乱が生じ、ヤマ神が公正な判断を下すことが困難になっていたからでした。

ヤマ神はブラフマー神に、有能な従者を与えてくれるように懇願します。
そして、ブラフマー神の長きにわたる瞑想の末に、その心から紙と筆を持った者が現れます。
ブラフマー神の心から秘密裏に生まれたその者は、チトラグプタと呼ばれるようになりました。

チトラグプタの名前が意味するものはさまざまに異なる説がありますが、たとえば、チトラを「絵」、グプタを「秘密」として捉えられることがあります。
秘密の絵が意味するものは、私たちの潜在意識に刻まれた印象であり、心の傾向でもあります。
その秘密の絵には、私たちの行為がすべて記録される一方で、未来を導く神妙な力が息づいています。

その力こそ、チトラグプタ神に他ありません。
それは、人間の良心、物事の善悪を図る心の働きそのものです。
内なる導き手として、良心は日々の経験の中で善悪の判断を促し、私たちを正しい行為へと導きます。
私たちは、この心の深淵に生きるチトラグプタ神の力を信じ、善悪を正しく見極めるとともに、善行を刻む努力をしなければなりません。

チトラグプタ神への祈りは、その力を内なる世界に呼び覚ます神聖な儀式です。
そうして良心を目覚めさせ、真と善に満ちた行為を積み重ねれば、最後にヤマ神の前に立つ時、その歩みはダルマによって祝福されるはずです。
その祝福によって、私たちはまっすぐに天に昇ることができるに違いありません。

(文章:ひるま)

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