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雑記帳

破壊の祈り

シヴァ神を礼拝する最も吉兆な夜を過ごし、その象徴が伝える深い意味について、改めて多くの気づきを与えられたように思います。こうしてこの吉兆な夜を通じて学ぶもの、その一つに、自分自身を破壊することが常にあります。
もともとシヴァラートリは、毎月、満月から13日夜/14日目にあたります。古代の人々は、この満月から新月へと変化する境目において、満ちた自我が小さくなり崇高な存在と一体となることができると信じ、深い祈りを捧げていたと言われます。そしてその祈りの多くは、「私を破壊してください。」というものであったと教えられたことがありました。
現代において私たちは、毎日のように、幸福や繁栄、保護を求め、祈りを捧げています。一方、古代の人々が捧げていた祈り「私を破壊してください」が意味するものは、「そうすれば、あなた(神)になれるからです。」ということであると教えられました。
シヴァ神は、破壊神でもあります。シヴァ神が破壊するものは私たちの自我であり、その先で永遠の至福である崇高な存在との一体をもたらすものです。インドの霊的叡智も、アートマン(真我)は否定的な概念でしか捉えられないということを繰り返し伝えてきました。
私たちは日々の中で得る地位や名声を通じ、さまざまに自分自身を形作っています。決して満たされることはないそれらの現象に惑わされ大きくなった自我は、常に多くを求め、さまざまな苦難をもたらします。それらから解放されるために必要なものこそが、自我を破壊することに他ありません。
自分自身を破壊することは、決して恐れるようなことではないことも、このインドの地に教えられました。それはただ、神々の下に自分自身を差し出すことであり、そうして成り得る絶対の存在において、限りのない幸福や繁栄が待ち受けています。その本質が、永遠の至福に他ないからです。
吉兆な時を通じ与えられる学びの機会と共に、自分自身の祈りについて、改めて向き合いたいと感じています。そしてシヴァ神の恩寵が世界を包み込むことを、どんな時も願ってなりません。
(文章:ひるま)

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