2010年8月25日は、ガーヤトリー・ジャパの日です。
この日は、ガーヤトリーの栄光を讃え、ガーヤトリー・マントラを唱える事がすすめられています。
以下に、スワミ・シヴァーナンダの「Hindu Fasts & Festivals」より、ガーヤトリー・ジャパの日についての記事をご紹介します。
偉人たちの人生を、人々の心に呼び覚まさせるため、古代の宗教家たちはとりわけ神聖で吉兆な日として、1年のうちにいくつかの祭日を設けました。これらの祭日では、国をあげてこの偉人たちの栄光を讃え、彼らの精神を呼び覚まし、人々に永遠の記憶を植え付けます。
ヒンドゥー教のカレンダーには、神の化身や聖仙、聖者の誕生日、ギーター・ジャヤンティー、グル・プールニマー、シヴァラートリ、ヴァイクンタ・エーカーダシー、そして多くの吉日が記されています。
ガーヤトリー・ジャパの日は、これらの神聖で栄光ある日のひとつとして、すべてのマントラの中でもっとも偉大かつ栄光ある神聖なガーヤトリー・マントラを思い起こす日として設けられています。
ガーヤトリーは、敬虔深いヒンドゥー教徒すべての生命であり支柱です。それは、信奉者を守り導く決して破れない霊的な鎧であり、堕ちることのない要塞です。事実、ガーヤトリーの言葉の真の意味は、「それを歌う人を守るもの」です。
ガーヤトリーは、人間を神へと変え、最高の霊的光輝によって人々を祝福する神の力です。自分の好きな神が誰であっても、ガーヤトリー・ジャパを数マーラー(1マーラーは108回唱えること)を毎日定期的に行うことで、限りない恩寵と祝福が降り注ぐでしょう。それは、絶対神の光に捧げられた純粋で熱心な祈りのすべてに当てはまります。至高のブラフマンであるガーヤトリー・マントラは、すべてのマントラの中でもっとも重要です。信条や身分に関わらず、すべてのブラフミンにとって、ガーヤトリーは寄る辺となるただ一つの光とされています。学生期(独身者)、家住期(世帯主)、林住期(退職者)では毎日このマントラを唱えるべきであり、サンニャーシン(隠遁者)は、このマントラの代わりにオームを唱えるよう求められます。
ガーヤトリー・マントラの本質は、あなたの好きな御姿を瞑想している時にも、唱えることができることです。信奉者の多くは、ガーヤトリーは女性の神格と考えています。女神として礼拝している人々は、この信念を曲げることはありません。しかし、実際のところ、ガーヤトリーは女性として語られることはありません。ガーヤトリー・マントラの中には、女性として出てくる単語は一語もありません。「ガーヤトリー」は女性形の単語ですが、必ずしもその神格を女性にすることはできないのです。それは単なる韻律の名称にすぎず、その神格を示しているものではないからです。
またある人は、ガーヤトリー・マントラは太陽を司ると考えます。しかし、この考えも少し見直さなければなりません。ここでの太陽は、私たちの肉体の目で見える、地上を照らす太陽ではなく、「タット サヴィトゥル」すなわち「あの太陽」です。あの太陽とは、輝くものではなく、人格もない、絶対的なブラフマンのことです。
したがって、その主宰神は至高のブラフマン自身に他ならず、ガーヤトリーはすべてのマントラの中でもっとも偉大なマントラです。それなのに、どうして他のマントラに心を惹かれるのでしょうか。ガーヤトリー自身が至高のマントラ、すなわちすべてのマントラの中の王なのです。ナ・ガーヤトリヤハ・パロー・マントラハ――ガーヤトリーより偉大なマントラはありません。
ガーヤトリーのそれぞれの単語、それぞれの文字は、絶対かつ至高の真理であるヴェーダンタ哲学の頂点に位置します。ガーヤトリーのジャパを行いなさい―それは、あなたにもっとも素晴らしい果報、すなわち永遠の果報を授けるでしょう。
マントラは次のとおりです。
Om bhur bhuvah svah
Tat savitur varenyam
Bhargo devasya dheemahi
Dhiyo yo nah prachodayaat.
Om:至高のブラフマーの象徴
Bhuh:地界
Bhuvah:空界
Svah:天界
Tat:その、すなわち神の
Savituh:創造主
Varenyam:崇拝すべき
Bhargah:罪と無知を消し去るもの。栄光、光輝
Devasya:目映い、光輝く
Dheemahi:私たちは瞑想します
Dhiyah:知性、叡知
Yo: 〜であるもの
Nah:私たちの
Prachodayaat:啓発せよ、導け、駆り立てよ
意味:私たちは瞑想します。
この宇宙を創造したお方を、
崇拝されるべきお方を、
知識と光輝の化身であるお方を、
一切の罪と無知を取り去るお方を、創造主の光輝を。
どうか彼が、私たちの知性を啓発しますように。
ここで、ガーヤトリーは以下の5つの節から成り、それぞれの節の後には休止が入ります。
1.オーム
2.ブール・ブヴァハ・スヴァハ
3.タット・サヴィトゥル・ヴァレーンニャム
4.バルゴー・デーヴァッスヤ・ディーマヒ
5.ディヨー・ヨー・ナハ・プラチョーダヤートゥ
この非常に貴重な神の財産であるガーヤトリー・マントラは、現代の若者たちに軽視されています。これは非常に深刻な問題です。この神聖な日に心を入れ替え、今すぐにガーヤトリーのジャパを熱心に始めてください。少なくとも108回(1,008回ならなお良いでしょう)、このガーヤトリー・ジャパの日に唱えましょう。そして、一日たりとも忘れずに、毎日それを唱え続けるのです。
この吉兆なガーヤトリー・ジャパの日の啓蒙を通じて、ガーヤトリーの意識が全世界に浸透しますように。今この瞬間から、ガーヤトリー・ジャパを毎日行う誓約を立てて、あなたたちすべてに三界の祝福がありますように。あなたが、ガーヤトリー・マントラの内なる真理を悟ることができますように。
ガーヤトリー・ジャパの日は、ラクシャ・バンダンまたはアヴァニ・アヴィッタム(7月〜8月)の日の後に行われます。
出典:
Swami Sivananda, "Hindu Fasts & Festivals", http://www.dlshq.org/download/hindufest.htm#_VPID_6
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