インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
विस्तरेणात्मनो योगं
vistareṇātmano yogaṁ
ヴィスタレーナートマノー ヨーガン
自己のヨーガを、詳細をもって
vistareṇa【男性・単数・具格 vistara】[〜によって、〜をもって]広さ;多数;大勢の仲間;沢山のもの;詳細、微細な事項、詳細な記述、敷衍
ātmanas【男性・単数・属格 ātman】[〜の、〜にとって]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
yogam【男性・単数・対格 yoga】[〜に、〜を]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
विभूतिं च जनार्दन ।
vibhūtiṁ ca janārdana |
ヴィブーティン チャ ジャナールダナ
そして示現を、クリシュナよ
vibhūtim【女性・単数・対格 vibhūti】[〜に、〜を]発達、増加;豊富;力の顕現、力(普通の意味);最高権力、偉大なこと;(祭式の)首尾よき結果;壮大、光輝;繁栄、幸運;富、財(普通の意味);富の女神ラクシュミー;灰(まれ) 【形容詞】広い、豊富な;威力ある、力強い
ca【接続詞】そして、また、〜と
janārdana【男性・単数・呼格 janārdana】[〜よ]ジャナールダナ。ヴィシュヌ神またはクリシュナ神の称。名前は「人を悩ます者、人々を苦しめる者」の意。
भूयः कथय तृप्तिर् हि
bhūyaḥ kathaya tṛptir hi
ブーヤハ カタヤ トリプティル ヒ
更に、あなたは語れ、なぜならば飽きることが
bhūyas【副詞】一層多く;もっとも多く;大いに、非常に、はなはだ;その上に;なおまた、さらに、そのほかに、なお一層;再び、新たに
kathayantas【二人称・単数・パラスマイパダ・命令 √kath】[あなたは〜せよ]語る、話す;物語る;告ぐ、報告する;説明する
tṛptis【女性・単数・主格 tṛpti】[〜は、〜が]満足、飽足;嫌厭
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
शृण्वतो नास्ति मे ऽमृतम् ॥
śṛṇvato nāsti me 'mṛtam ||
シュリンヴァトー ナースティ メー ムリタム
甘露を聞いている私にとってないから
śṛṇvatas【男性・単数・属格・現在分詞 √śru】[〜している]聞く、聴く、耳にする、傾聴する
na【否定辞】〜でない
asti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[彼は〜、それは〜]ある、存在する、実在する
me【単数・属格、一人称代名詞 mad(mamaの附帯形)】[〜の、〜にとって]私
amṛtam【中性・単数・対格 amṛta】[〜に、〜を]不死;不滅者の世界;諸神の飲料、神酒、甘露;療治(の一種);薬;供儀の残物;水;乳;光線
विस्तरेणात्मनो योगं विभूतिं च जनार्दन ।
भूयः कथय तृप्तिर्हि शृण्वतो नास्ति मेऽमृतम् ॥१८॥
vistareṇātmano yogaṁ vibhūtiṁ ca janārdana |
bhūyaḥ kathaya tṛptirhi śṛṇvato nāsti me'mṛtam ||18||
自己のヨーガと示現とを、更に詳細に語ってください、クリシュナよ。
なぜならば、甘露を聞いているとき、私は飽きることがないから。」
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