2024年4月5日はエーカーダシーの吉日です。
月の満ち欠けのそれぞれ11日目に訪れるエーカーダシーは、ヴィシュヌ神に捧げられる日となり、断食や瞑想を行うことが勧められます。
このエーカーダシーは、パーパモーチャニー・エーカーダシーといわれます。
パーパモーチャニー・エーカーダシーは、チャイトラ月(3月~4月)のクリシュナ・パクシャ(満月から新月へ向かう半月)の11日目にあたり、悪霊の影響をはじめとするさまざまな好ましくない影響を取り除くことができると伝えられる吉日です。
一説に、以下のような神話が伝わります。
神々の王であるインドラ神やアプサラス(天女とも称される水の精たち)が訪れる美しい森がありました。
そこでは多くの聖者が苦行を行なう中、瞑想の達人として知られる若きメーダーヴィーの姿がありました。
アプサラスであるマンジュゴーシャーは、メーダーヴィーの気を引こうと、さまざまな試みを行ないます。
やがて、マンジュゴーシャーはメーダーヴィーの庵の近くで暮らすようになり、メロディアスな声で歌を歌い始めました。
その歌声に愛の神であるカーマデーヴァが酔いしれ、カーマデーヴァはメーダーヴィーに愛の矢を放ちます。
すると、メーダーヴィーはマンジュゴーシャーに夢中になり、二人は共に暮らすようになりました。
長い時が経ち、マンジュゴーシャーは神聖さをなくしたメーダーヴィーへの興味を失い、自由になりたいと考え始めます。
そして、マンジュゴーシャーがメーダーヴィーのもとを離れた時、メーダーヴィーは自分自身が感覚の虜になっていたことに初めて気づきました。
メーダーヴィーは怒り、マンジュゴーシャーを醜い魔女としてしまいます。
その後、メーダーヴィーは父親からこの罪を清めるためにパーパモーチャニー・エーカーダシーの戒行を努めるように助言されます。
そして、メーダーヴィーとマンジュゴーシャーはこのパーパモーチャニー・エーカーダシーの戒行を努め上げました。
すると、その罪から解放され、メーダーヴィーは聖者として、マンジュゴーシャーはかつての美しい姿を取り戻したと伝えられます。
パーパモーチャニーのパーパは「悪徳」や「邪悪」の意味があり、モーチャナは「解放」の意味があります。
チャイトラ月(3月~4月)はインドでは春にあたり、この時期は愛の神であるカーマデーヴァの力が活発になると伝えられます。
このパーパモーチャニー・エーカーダシーを努めることで、欲望や感覚を制御し、そこから生じ得るさまざまな好ましくない影響を取り除くことができると信じられています。
エーカーダシーは、神々に祈りながら断食によって感覚器官を統制し、体と心を清める吉日です。
エーカーダシーを通じ、皆様も充実した時をお過ごしください。
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