シーター女神の降誕
2024年5月16日に迎えるシーター・ナヴァミーは、シーター女神の降誕祭として広く祝われ、その高潔な教えが称えられる吉日です(日本時間では5月17日)。
シーター女神は、ヴァイシャーカ月(4月~5月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)の9日目(ナヴァミー)に降誕したと信じられています。
豊穣の女神
シーター女神はヴィシュヌ神の7番目の化身であるラーマ神の妃であり、同時に富と美の女神ラクシュミーの化身としても知られています。
シーター女神の母は大地を司る女神ブーミであり、シーターの名前には「畝(うね)」という意味があります。
この名前は、シーター女神が畑の畝の間から生まれたという伝承に由来します。
この背景から、シーター女神は土地の肥沃さや農業の豊かさを象徴する女神として敬われてきました。
苦難の生涯
しかし、シーター女神の生涯は単なる豊穣の象徴に留まらず、多くの試練と困難に満ちていました。
ヒンドゥー教の叙事詩「ラーマーヤナ」において、シーター女神は献身と自己犠牲の模範として描かれています。
そんなシーター女神はラーマーヤナの中で、羅刹王のラーヴァナに誘拐され、そこで物語は悪との戦いに突入します。
これは、私たちが欲望という悪魔によって心を奪われ、高潔さや純粋さを見失い、苦難に巻き込まれることの象徴としても捉えられます。
シーター女神の教え
欲望が心を支配する時、私たちは主との結びつきを失い、多くの困難に巻き込まれます。
しかし、シーター女神はラーマ神を心に抱き続けました。
欲望に飲み込まれ、困難に直面しても、主への愛を育むことでその困難を乗り越えることができるとシーター女神は示しています。
現代に生きる叡智
ラーマ神を心から愛するシーター女神の姿は、私たちの人生における導きの光であり、その信念は、私たちがどんな困難に遭遇しても、前向きに歩むための指針となるでしょう。
シーター女神の生き方は、現代の私たちにとっても、人生の困難に立ち向かう際の大きな手本となり得ます。
シーター・ナヴァミーは、これらの価値を再認識し、日々の生活において高潔さと純粋さを追求する自己啓発の機会として祝われています。
※シーター女神の降誕祭は、パールグナ月(2月~3月)のクリシュナ・パクシャ(満月から新月へ向かう半月)のアシュタミー(8日目)に祝福される慣習もあります。
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