9月17日に盛大な祝福が執り行われたガネーシャ降誕祭は、それからおよそ10日間に渡って祝福が続きます。この10日間、多くの家庭では土でできたガネーシャ神像を祀り、礼拝を行い、供物や祈りを捧げます。そして10日目には、その神像を川や海へと流します。土でできたガネーシャがカルマを吸い取り、自然に還りながらそのカルマを溶かしていくと信じられているからです。
こうして人々に愛され、インドではどこの家庭においても祀られているガネーシャ神には、さまざまな姿形を見かけます。立っているガネーシャ、踊っているガネーシャ、横になっているガネーシャ、中でも一番多く目にするのは、座っているガネーシャかもしれません。このガネーシャの座り方にも、大切な意味が秘められています。
座っているガネーシャ神は多くの場合、片足を地につけ、片足を曲げています。これは、半瞑想状態であることを意味し、ガネーシャ神が常に帰依者を想いながら、瞑想をしていること意味していると伝えられます。ガネーシャ神はどんな時も、私たちを助けにやってくる姿勢に留まっているのです。この座り方はガネーシャ神だけでなく、他の神格でも見られる座り方です。
この姿勢は、私たちが日々生活をする中でも努めなければならない姿勢のあり方です。それは、世俗の世界で生活を享受しながらも、心は常に絶対の存在に定め、行いに集中すべきであることを意味しています。崇高な存在であるガネーシャの心が常に私たちに向けられているように、私たちの心もまた、崇高な存在へと向けられなければなりません。そこにある繋がりは何よりも私たちの心に安定をもたらし、日々をより豊かに過ごすものとなるものです。
ガネーシャ降誕祭の10日目はアナンタ・チャトゥルダシーとして知られ、2015年は9月27日に迎えます。ガネーシャ神を讃える吉兆な時はまだまだ続いています。この時に真摯な礼拝を行うことで、私たちの祈りはきっとガネーシャ神へ届くことでしょう。
(文章:ひるま)
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