スピリチュアルインド雑貨SitaRama

インド音楽

54、第3Chakra:Manipura/NabiとRaga

illustration of human chakra, OM symbol,amulet from Nepal

臍にあるとされる「第3のChakra:Manipura/Nabi」は、胃・肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・消化器と関わりがあり、自信、不安、エゴ、個性、理性を司るとされます。 「司る」という限りには、これも「恒常性のバランス感覚」に照らせば、過少は高められ、過度・過多は抑えられるということに他なりません。

西洋医学でも、かなり以前から研究、臨床が進みながら、私たちの日常生活の中では、あまり深くも正しくも理解されていないのが「自律神経(学)」ではないでしょうか? と言うより、はっきり言って「自律神経の大切さ」を分かっていたら絶対にあり得ない行為がまかり通っています。その挙げ句の「生活習慣病」とは、「良く言った(言えた?)ものだ」と思わざるを得ません。

「エアコンの多用」、熱いからと「冷たい飲み物やデザート」「薄着」、寒いからと言って「厚着」「熱い飲み物」を、何の疑いもなく取り込む現代人の多くが、実は既に「自覚の無い自律神経失調症」ではないかと危惧します。言い換えれば、自覚症状が出た頃には、最早修復に大変な作業を要し、後遺症や副作用を懸念すべき化学療法に頼らねばならないかも知れないからです。

この「自律神経」こそ、「恒常性のバランス」を具体的に実行する先鋭であり、「交感神経」と「副交感神経」は、端的に言えば、相反する作用の象徴的な存在です。語呂合わせのようですが、「自律神経の失調」は、「精神的な自律の失調」と相互関係にあり、ひいては「化学製剤に依存」という姿に至り、「自然治癒力と恒常性を失う」という姿に陥り、その意味での「自立の失調」を招くわけで、現代人の様々な体や心の問題のほとんどがこれに起因していると言っても過言ではないと思います。

奇しくも、7音におけるMahnipura/Nabi-Chakraに相当する音、「ミ/Gandhara」は、基音である「Sadaj(サラジュ/ド)」との関係が非常に密接な音です。科学音楽では、学派によって「初老」とも「少年」とも言いますが、私は母「Sadaj」と深い絆で結ばれた少年のように思えます。「ソ/Pancham」を夫とするならば、Gandharaは、立派な成人青年ですが、Panchamを長兄とするならば、Gandharaは、やんちゃな少年のようです。

いずれにしても「レ、ファ、ラ」の女性音の柔らかさ、優しさに対して、「ミ、ソ、シ」の男性音には、聡明さ、りりしさが共通して存在します。そして、この二種の音たち、つまり「Sadaj/Pancham:基音と属音」以外の音にはいずれも、「低い音と高い音」の二種があります。

「レ、ミ、ラ、シ」は、それぞれ「ナチュラル:♮」と「フラット:♭」があり、「ファ/Madhiyam」には、「♮」と「シャープ:#」があります。これは、不変音:Panchamに「♭」を付けるべきではないためです。

即ち、少年のような「ミ/Gandhara」には、より優しく、ある意味、哀しげで頼りない「Komal-Gandhara(コーマル・ガンダーラ/ミ♭)」と、明るく、自立した「Shuddha-Gandhara(シュッダ・ガンダーラ/ミ♮)」がある訳です。

そして、「第3のChakra:Manipura/Nabi」との関係は、左のManipura/Nabi-Chakraには、Komal-Gandhara、右と中央のManipura/Nabi-Chakraには、Shuddha-Gandharaが適応されると説きます。中国の陰陽説で言うならば、「♭=陰/♮もしくは#=陽」「左=陰/右=陽」でありますから、見事に符合(合理)します。

興味深いのは、この「第3のChakra:Manipura/Nabi」と関連があるRagaは、「Vadi (ヴァーディー/主音)」がGandharaであるばかりでなく、五音音階の性格が強いということです。上下行音列ともに五音の「Audava-Jati(アウダヴァ・ジャーティー)」の例もありますが、多くは、上行のみ五音で、下行は7音の、「Audava-Sanpurna-Jati(サンプールナ・ジャーティー)」です。

これらには、全体を男性音で占めたり、そうでない場合も、音数を減らすことで、Gnadharaの存在感が増すという結果が見られますが、それを意図したかどうか?までは分かりません。人間が意図して定めた、というより、神々の啓示を受けた叡智が生み出したものなのではないでしょうか。

このように、科学音楽の第3音「Gandhara」から学ぶ、「第3のChakra:Manipura/Nabi」とそれに関わるRagaの性質は、男性的であり、少年的であるとともに、第1音「Sadaj」と「第1Chakra:Muladhara」第5音「Pancham」と「第5Chakra:Vishuddha」および、五度上の関係の第7音「Nishad」と「第7Chakra:Sahasrara」と「倍音(物理的に生じる自然の摂理ともいうべき音関係)」の関係にあり、当然関わりが深いということが分かります。

また、「自信、不安(の解消)、エゴ、個性、理性を司る」ということも、誠に少年的でアクティヴです。

自信は不安を解消するとともに、依存からの脱却を果たします。自立と「表裏一体」であるエゴもしかりです。エゴや個性の暴走は、理性によって制御されます。

つまり、少年が成長する方向性には、バランスの取れた「自立」、すなわち「自律を伴う自立」があり、それは、自在に操れる車(自動車)のごとくに、偏り無く整備されていなくてはならないということです。

(文章:若林 忠宏

‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥
若林忠宏氏によるオリジナル・ヨーガミュージック製作(デモ音源申込み)
‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


RANKING

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3

CATEGORY

RECOMMEND

RELATED

PAGE TOP