日本ではお彼岸、そしてインドでは先祖供養の時が続いています。この先祖供養の間には、ヴィシュヌ神とガルダの対話が含まれ、死後の世界について記されたガルダ・プラーナを読むことが勧められています。それは私たちと先祖の望みを満たし、天と地の両方において幸福を授けると信じられます。
ガルダはヴィシュヌ神の乗り物であり、鷲のような聖鳥として知られます。生まれてすぐに炎のように熱く光り輝き、非常に大きな体を持つ鳥でした。それは大きすぎるほどで、神々はガルダを礼拝しながら小さくなるよう頼み、ガルダの体は小さくなったといわれます。そして、呪いをかけられた母親を救うため、ガルダは天からアムリタを持ち帰りました。
そんなガルダの姿を真似たヨーガのアーサナがあります。「ガルダーサナ」として知られるこのアーサナは、ヨーガの修練において広く実践され、重要視される存在です。このアーサナの実践の間、私たちは自分自身の内に眠るガルダのエネルギーを呼び覚まします。
ガルダーサナでは、片足で立ちバランスを取りながら腰を落とし、手足を複雑に絡めます。膝や腰、肘や肩、そして手首など、さまざまな関節が伸びながらぐっと引き締まり、体は収縮します。そして体をもとに戻すと、収縮した体から血液が一気に流れ始め、関節などにたまる毒素がどっと押し流されるような感覚を得ます。
私たちは、肉体という物質的なエネルギーによって、時に、精神的なエネルギーが制限されてしまうことがあるといわれます。大きすぎたガルダが小さくなり、やがて天界からアムリタをもたらしたように、私たちは肉体をうまく制御することで、より深く精神的なエネルギーに繋がり、アムリタのような至福を得ることができるに違いありません。
お彼岸を迎え、昼夜のバランスが取られる時。そして、先祖供養において重要視されるガルダの存在。この時、心身を浄化し、バランスをとるこのアーサナを実践し、ガルダの存在を自分自身の心身で感じてみるのもよいかもしれません。
(文章:ひるま)
参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Garuda
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