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雑記帳

カーマデーヴァの5つの矢

カラフルな色が飛び交い、インド中が歓喜に包まれるホーリー祭は、芽吹く陽春の喜びをそのままに象徴する心が浮き立つ祝祭です。そんなホーリー祭は、愛の神であるカーマデーヴァが礼拝される時でもあり、この美しい季節の祝福の中で、愛しい気持ちを感じる瞬間が多くあります。

春の神格であるヴァサンタを親友とするカーマデーヴァは、この春の季節に活発になると古くから伝えられてきました。ホーリー祭とカーマデーヴァの間には、シヴァ神にまつわるある有名な神話が伝わります。

最初の妻であるサティーを亡くしたシヴァ神は、悲しみのあまり、深く長い瞑想を続けていました。サティーがパールヴァティーとして姿を現し再び結ばれる時を迎えるも、シヴァ神は目を開けることはありません。そんなシヴァ神を目覚めさせようと、カーマデーヴァが愛の矢を打ち放ちます。すると、シヴァ神の第三の目が開き、そこから鋭い閃光が放たれたのだといわれます。それが、このホーリー祭であると一説に信じられています。

カーマデーヴァは、「花の矢を持つ者」を意味する「クスマシャラ」と呼ばれることがあります。カーマデーヴァの持つ花の矢は5つあり、それは、チャンパカ、ロータス、ジャスミン、マンゴー、アショーカといわれます。どれも、香しい芳香を放ち、世界を魅了する麗しい花の数々です。

美しい香りを放つカーマデーヴァの矢は、私たちの感覚を魅了します。豊かな感情を生み出すその力は、時に、心の平安を奪うものとして捉えられることがあります。しかし、春を引き連れ美しい花を運ぶカーマデーヴァの矢は、死や腐敗に包まれ荒廃していた世界に、命や再生をもたらし、再び繁栄を呼び覚ましました。

冬から春へ、巡る大自然がそうであるように、私たちは常に、調和の中で生きることを学ばなければなりません。そこでは、愛するという感情を大切に育み、より豊かな日々を送ることができるはずです。

一年に一度、心の奥深くから溢れる喜びを感じるホーリー祭のように、人生の一瞬に喜びを見出し、調和をしながら生きることを学びたいと感じます。皆様にも、うららかな春の喜びが訪れますように、心よりお祈り申し上げます。

(文章:ひるま)

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