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インド音楽

160、アーユルヴェーダ音楽療法入門21(そもそも精神世界とは?-その9-)

Kosha(鞘)を鍛えるには?
1、本来「心」と「魂」には、境界線は不要かも知れない

奇しくも紀元前のヴェーダ科学「Kosha論」と同じだった、私が膨大な資料と検証から確信に至った「精神構造図」ですが、強いて言えば、今回の図のように、一部修正が必要でした。僅かなことですが、それは、図のように「心」の外輪と「魂」の外輪の黒線は不要ということです。
何故ならば「心」は「論理思考」と言う「城壁」に守られているのですから不要です。また、「魂と心の境界線」は、確かに存在しつつも、古代「Kosha論」の時代の人々のように、既に「同化」している場合も考えられるからであり、そうでなくとも「論理思考の城壁」がしっかりしていれば、「心と魂」は、安心して影響し合えるということです。
でなくては「魂に今生の想いや記憶が染み込むこと」も、「魂の記憶が心に訴え、思考に届かせること」も不自由というものです。
また、「心が健全」であれば、「心」が「魂という預かりものを守る器」にもなるとも言えます。「心が城壁になる」というよりは、柔らかなクッションやゼリー状の保護域で、魂はその中に安置されている感じです。
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逆に「外因反応的な気分感情に支配され、思考領域も侵食され思考機能も城壁機能も失われ、心さえも感情に犯されつつある、多くの現代人」の場合、「魂」は、最後のバリアーを張るかも知れません。
その姿はきわめて哀れです。言ってしまえば、Vol.144(18年8月2日Up)で紹介した様々な細胞や腸内細菌の図の「癌細胞」のように、「細胞が全て癌化し、『魂』は、幽閉され風前の灯のミトコンドリア」の様子に極似してしまいます。
また、自らの愚かさで地球の自然環境を破壊した結果、人間が住めるところが無くなり、多くが滅び、ごく一部の人間が寄り集まって「宇宙へ脱出する」直前の様子にさえ見えます。やがて実際に、「魂」は、「宇宙」に呼び戻されるのでしょうか。
そもそもこの状態で「梵我一如:不二一元」を望むのならば、「何故生まれて生き続けて来たのか?」という話です。やはり人間も、その他の生き物も「本来の姿」に戻らないことには、「地球の細胞」としての役割を果たすことは出来ないのではないでしょうか。
2、Koshaを鍛えるためには、
「Kosha論」で「何故それぞれの領域自体が『鞘』とされ、境界線(城壁)がない『領域』なのか?」は、意外に重要なポイントかも知れません。前述したように、「論理思考(自体)は心を守る城壁」であり「心(自体)は、魂を安置する器」であるならば、「それ自体が『鞘』の役割を担う重要な要素である」ことを示唆していると考えられるからです。
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現在のヨガ・瞑想・アーユルヴェーダ関係の人々は、この点を明確に説こうとはしません。
そもそもヴェーダ関連の用語の奥深い意味を、直訳のまま説きますから「分かった気になる」で終わってしまいます。例えば、「Kosha論の最も中心(奥深い)のAnandamaya-Kosha」は、「Ananda」をそのまま訳せば、確かに「至福・歓喜」ですから「歓喜鞘」とおっしゃる。「心と魂がほぼ一体化したような、梵我一如の領域=理想的な人間像」と説いてからやっと「至福・歓喜」が導かれる訳であり、「どんな人間でも、その中心には『至福・歓喜』が宿っている」という「性善説的」な誤解を与えては「現代人の破壊されつつある精神構造」に警鐘は鳴らせません。(そんなつもりは無いという人がほとんどでしょうけれど)
同様に「Vijnanamaya/-Kosha(理知鞘/論理思考領域)」については「5-Indriya(五つの力)、6-Pramana(六つの認識)、16-Padartha(十六の検証)」を駆使せねばならないことを説かねば、まるで「誰にも理知的な部分があるそうだ」で終わってしまいます。
現代人の精神構造の大半を占めている「Manomaya-Kosha(意思鞘・気分感情領域)」でさえも、「Ahamkaraの脆弱さ」を説き、「外因反応ばかりでは駄目だ」と説かない限り、「健康なManomaya-Kosha」とは言えません。
万事がこのような調子なので、「古代インドでは人間は五つの鞘で出来ていると説きました」「へー」で終わってしまうのです。
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ちなみに最後に述べた「Manomaya-Kosha」のことですが、日々「外因・外的刺激に反応」したのと同じ(質的な量)だけ、「内因で感じる」必要は最低限ある筈です。例えば「事件の話を聞いた、SNSで人々のコメントを読んだ」と同じだけ、「論理思考や心が内発するものを喜怒哀楽で感じる」べきというものです。勿論、この「内発的な刺激」も、きっかけは外因である場合も多く、それが駄目ということではありません。
例えば、空を見上げて鳥が数羽飛んでいたとして(外的情報・刺激)。それを見て「何も考えない・想わない」ではなく、「どうやって互いの距離を維持しているのだろうか?」などと考えたり、夢想したりするような時間・量・質が、「知人の誰々が言ったあの言葉の意味は何だろう?」と同じ位必要だ、ということです。
尤も、言われなくても人間は、自然に「自己治癒能力」がありますから、「感情支配」の人には意外に「夢想家」が多かったりしますが、そこに「論理思考」が加わらない。それでは「感情の息抜き」にしかならず。「鞘を鍛える」ことには繋がりません。
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「Koshaを鍛えること」について「簡単に安直に短絡的に分かり易く」説明することなど出来る筈もないことですが。(そもそもその悪慣・価値観を変えることが最優先ですし)
極めて大雑把に説けば、以下のようになると思います。
3、Koshaを鍛える具体的なステップ
第一段階 目的:外因反応に偏る感情の支配の改善
1)ボディーヨガと呼吸法の改善 体が整うことは精神改善に大きな助けです。
2)マントラを聴く。ヤントラを見る。 同上に、初動時に大きな助けとなります。
3)瞑想 同上
しかし、ここで満足してしまって終わってしまえば、前回ヨギのひとりが述べた言葉を紹介しましたが「何も変わらない」に至るだけです。
同様に、昨今流行の「Detox」もしかり。「無毒化させる機能」が衰えたままでは、また「毒が溜まる」を繰り返すばかり。それを商売にしている人は、その方が良いのかも知れませんが、自分の「体と心」を大切に想うならば、考え直さねばなりません。

第二段階 目的:感情思考と論理思考の分別
1)自らで多くの「禁句」を考え実行する。
現代人の多くは、日々、言葉で思考力の悪習を維持させてしまっています。
2)自らで日々数回「唱える言葉」を考え実行する
これはかなり有効です。
ちなみに「TVを見ない・大衆誌を読まない」は、「Detox」と同様に「一過性・その場しのぎ」でしかなく。初期(第一第二段階)では有効ですが不可欠ではありません。むしろ「TVのくだらない会話が煩い」ような環境でも、「平然と論理思考が出来る」ことが唯一重要なことなので、「静かにしてくれないと考えがまとまらない」は「感情思考(非論理思考)」であることの証です。

第三段階 目的:論理思考の入門段階
1)論理的な文章を自らで分析・解析する
2)非論理的文章を分析・解析し、何ゆえに「非論理的」であるかを理解する。

第四段階 目的:ヴェーダの科学の享受
1)正しく理解しているインストラクターが選択した「Mantra」「Yantra」と向かい合う。
2)同様に、「よりピュアーな科学音楽」を適時に聴きながらの瞑想
3)同様に、「よりピュアーな科学音楽」を適時に聴きながらの論理思考

このようなステップが、10~12段階あり、それは「Koshaの脆弱度・破壊度」によって異なります。
しかし、このような「誰でも出来ること」が極めて重要で、第三段階までは、「自分で実行する(他者の力を借りない)」ことで「内発性・自発性」を高めるのです。そうでない限り、「Defaultの精神構造」は、決して復元されません。私のカリキュラムでも、「例えば」は沢山提示しますが、提示されたもの以外を自分で考え(思いつくのが一番良い)決めて実行して貰っています。
尤も、「心や体の病気のなりかけ」や「幼い子供が居る」「家族の雰囲気が良くない」などの場合、けっこう急ぐべき時もあって、「自発的が肝心」とは言え「マイペース」では間に合わないこともありますが。

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何時も最後迄ご高読をありがとうございます。

福岡市南区の自宅別棟楽器倉庫の教室では、インド楽器とVedic-Chant、アーユルヴェーダ音楽療法の「無料体験講座」を行っています。詳しくは「若林忠宏・民族音楽教室」のFacebook-Page「Zindagi-e-Mosiqui」か、若林のTime-Lineにメッセージでお尋ね下さい。 九州に音楽仲間さんが居らっしゃる方は是非、ご周知下さると幸いです。

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You-Tubeに関連作品を幾つかアップしております。
是非ご参考にして下さいませ。

Hindu Chant講座Vol.1

Hindu Chant講座Vol.2

Hindu Chant講座Vol.3

Hindu Chant講座Vol.4

Vedic Chant入門講座(基本理解編)

Ayurveda音楽療法紹介(基礎理解編)

アーユルヴェーダ音楽療法 (実践編1)

アーユルヴェーダ音楽療法 (実践編2)

アーユルヴェーダ音楽療法 (実践編3)

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(文章:若林 忠宏

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若林忠宏氏によるオリジナル・ヨーガミュージック製作(デモ音源申込み)
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