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雑記帳

蛇の象徴

神聖なシュラーヴァナ月における祝祭の一つが、本日も祝福されています。ナーガ・パンチャミーと呼ばれる蛇神を讃える祝祭です。蛇にまつわる神話は世界に広く存在しますが、インドでもまた、その存在が深遠な意味合いを映し出しています。
インドでは広く、蛇は多産や豊穣の象徴とされ、また脱皮を繰り返す姿が輪廻と不死の象徴として崇められてきました。宇宙を維持するヴィシュヌ神は、永遠を意味する「アナンタ」という大蛇に横たわり眠っています。私たちの内に存在する根源的な生命エネルギーもまた、尾てい骨に蛇のようにとぐろを巻いて眠っていると言われます。「クンダリニー」と称されるそのエネルギーは、古代より、多くの探求者がその覚醒に努めてきたものに他ありません。
一方で、シヴァ神もまた蛇と共に描かれます。一説には、シヴァ神の首にぐるりと三周巻きついた蛇の姿が、過去、現在、未来の三つのサイクルを象徴していると伝えられています。それは、心の動きによって生じる過去や未来という「時」を超越した、永遠の存在であることを示しているのだと言います。心を克服し、本質である崇高でいて永遠の存在と一つになるというヨーガの究極の目的を、最大のヨーガ行者であるシヴァ神が静謐に物語っています。
この時期に祝福されるナーガ・パンチャミーは、モンスーンに入り水かさが増え、さ迷い出る蛇の被害を受けないよう祈りを捧げたことが始まりだとも伝えられます。蛇は神聖視される一方で、くねくねと動き回る姿、また毒を持つ危険性が、人々の心のように映ります。そんな蛇を自身に巻きつけるシヴァ神は、心に打ち勝ち、永遠の真実に定まる至福を私たちに示しています。
自身の内に眠るとぐろを巻く真のエネルギーの覚醒は、その内を克服し脱皮した時に初めてあらわれるのかもしれません。この神聖な時、古代の叡智が示す象徴を通じ、改めて求めるものを見つめ直す瞬間にいるような気持ちです。叡智は常に、人々を導き続け、真実を明るく照らしています。その光の下で、心のあるべく場所をしっかりと示し、永遠の至福を自分自身の存在に映し出していきたいと感じています。
(文章:ひるま)
※ナーガ・パンチャミーは地域によって祝祭にも差異が生じます。パンチャミーは新月より5日目となることから、2013年は8月11日、もしくは12日に祝福されます。

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