インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
यत्र काले त्व् अनावृत्तिम्
yatra kāle tv anāvṛttim
ヤトラ カーレー トヴ アナーヴリッティム
しかし、どのような時において、不退転に
yatra【副詞】そこに、その場所に;そこへ;その場合に、もし〜ならば;その時;それにつき;〜するために;〜とは
kāle【男性・単数・処格 kāla】[〜において、〜のなかで]時;機会;季節;食事;時間;年、時代;音律;運命;死;死の神
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
anāvṛttim【女性・単数・対格 anāvṛtti】[〜に、〜を]再帰しないこと、不退転;最後の解脱
आवृत्तिं चैव योगिनः ।
āvṛttiṁ caiva yoginaḥ |
アーヴリッティン チャイヴァ ヨーギナハ
そして退転に、ヨーガ行者らは
āvṛttim【女性・単数・対格 āvṛtti】[〜に、〜を]入ること;帰来;反覆;日至(夏至および冬至);再生;行程、方向
ca【接続詞】そして、また、〜と
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
yoginas【男性・複数・主格 yogin】[〜らは、〜らが]ヨーガ行者、修行者、実践者
प्रयाता यान्ति तं कालं
prayātā yānti taṁ kālaṁ
プラヤーター ヤーンティ タン カーラン
逝去した(ヨーガ行者らは)、赴くか、その時を
prayātās【男性・複数・主格 prayāta(pra√yāの過去受動分詞)】進む、行く、飛ぶ;〜に赴いた;死んだ;経過した
yānti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼らは〜、それらは〜]動く、いく、歩く、赴く;前進する、行進する;従う
tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]これ、あれ、彼
kālam【男性・単数・対格 kāla】[〜に、〜を]時;機会;季節;食事;時間;年、時代;音律;運命;死;死の神
वक्ष्यामि भरतर्षभ ॥
vakṣyāmi bharatarṣabha ||
ヴァクシャーミ バラタルシャバ
私は告げよう、アルジュナよ
vakṣyāmi【一人称・単数・パラスマイパダ・未来 √vac】[私は〜だろう]言う・話す・告げる・知らせる・記述する;名付ける、呼ぶ;叱る
bharatarṣabha【男性・単数・呼格 bharatarṣabha】[〜よ]インドの雄牛;インドの後裔、インドの王;アルジュナの呼称、ヴィシュヴァーミトラの呼称
यत्र काले त्व् अनावृत्तिमावृत्तिं चैव योगिनः ।
प्रयाता यान्ति तं कालं वक्ष्यामि भरतर्षभ ॥२३॥
yatra kāle tv anāvṛttimāvṛttiṁ caiva yoginaḥ |
prayātā yānti taṁ kālaṁ vakṣyāmi bharatarṣabha ||23||
しかし、世を去り逝くヨーガ行者たちは、どのような時に解脱に、
あるいは再生に赴くか、その時を私は告げよう、アルジュナよ。
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