インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
मया ततम् इदं सर्वं
mayā tatam idaṁ sarvaṁ
マヤー タタム イダン サルヴァン
このすべては、私によって満たされた
mayā【単数・具格、一人称代名詞 mad】[〜によって、〜をもって]私
tatam【中性・単数・主格 tata(√tanの過去受動分詞)】広げられた、伸ばされた、拡張された;(具格)に覆われた;充満された、遍満された
idam【中性・単数・主格、指示代名詞 idam】[〜は、〜が]これ
sarvam【中性・単数・主格 sarva】すべての、一切の、各々の;全体の
जगद् अव्यक्तमूर्तिना ।
jagad avyaktamūrtinā |
ジャガド アヴィヤクタムールティナー
世界は、非顕現の姿をもつ(私によって)
jagat【中性・単数・主格 jagat】[〜は、〜が]すべての動くもの;動物;人;世界、この世;大地;(両数)天上と下界;(複数)諸世界
avyakta【a-vi√añjの過去受動分詞】非顕現の、現れない、認めがたい;不明瞭な、目に見えない、感知できない
mūrtinā【女性・単数・具格 mūrti】[〜によって、〜をもって]固体、物質的形態、体;顕現、権化、具体化;人体、形態、骨格、姿、外観;肖像、立像;美 ―゜【形容詞】〜の形態をとった
→avyaktamūrtinā【女性・単数・具格、所有複合語】非顕現の姿をした
मत्स्थानि सर्वभूतानि
matsthāni sarvabhūtāni
マットスターニ サルヴァブーターニ
万物は私に存在している
mat【一人称・単数、人称代名詞 mad】私
sthāni【中性・複数・主格 stha】立っている、存在している、ある;に専念した、に従事した、〜を実践する
→matsthāni【中性・複数・主格】私に存在している
sarvabhūtāni【中性・複数・主格 sarvabhūta】[〜らは、〜らが]一切の存在物、万物、一切衆生 【形容詞】至る処に存在する
न चाहं तेष्व् अवस्थितः ॥
na cāhaṁ teṣv avasthitaḥ ||
ナ チャーハン テーシュヴ アヴァスティタハ
しかし、それらの中に、私は存在しない
na【否定辞】〜でない
ca【接続詞】そして、また、〜と
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
teṣu【中性・複数・処格、指示代名詞 tad】[〜らにおいて、〜らのなかで]それ、あれ、彼
avasthitas【男性・単数・主格 avasthita(ava√sthāの過去受動分詞)】〜に存する・置かれた・配置された・含まれた;〜に従事している・で忙しい・に献身した;確固とした;固く決心した;着実な、信頼するに足る
मया ततमिदं सर्वं जगदव्यक्तमूर्तिना ।
मत्स्थानि सर्वभूतानि न चाहं तेष्ववस्थितः ॥४॥
mayā tatamidaṁ sarvaṁ jagadavyaktamūrtinā |
matsthāni sarvabhūtāni na cāhaṁ teṣvavasthitaḥ ||4||
この全世界は、非顕現の姿をもつ私によって満たされている。
万物は私の中に存在しているが、それらの中に私は存在しない。
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