本日2014年12月2日は、世界中で愛されるヒンドゥー教の聖典、バガヴァッド・ギーターの祝福が行われる吉日です。「ギーター・ジャヤンティー」として知られるこの日は、バガヴァッド・ギーターの生誕日として祝福されるものであり、インド国定暦マールガシールシャ月(11月から12月)のエーカーダシ(新月から11日目)の吉日にあたります。
神の詩として知られるバガヴァッド・ギーターは、美しい詩句の一つ一つが、あらゆる状況において自分自身の内面に深く響き渡るものであり、人々の生きる指針として、時を超え読まれ続けてきました。生きる日々の中で抱く苦悩、その解決策の全てがこの詩句にあらわされているとも言われます。
哲学的叙事詩マハーバーラタにおける大戦が舞台となるバガヴァッド・ギーターは、その戦場である聖地クルクシェートラで苦悩するアルジュナに、クリシュナが優しく、そして勇ましく、教えを語るものです。このアルジュナが苦悩する戦いは、現代に生きる私たちもまた、日々経験しているものに他ありません。
精神と物質、生と死、自制と誘惑、善と悪、健康と病気…そういったものの狭間で生じるさまざまな葛藤は、個人の内なる世界においてまるで戦いのように繰り返され、私たちは日々苦悩し、憂い、そして嘆いています。
アルジュナの戦場における勝利とは、苦悩を生み出す自分自身の心に打ち勝つことでした。戦場である聖地クルクシェートラは、個々の内に存在しています。そこで生み出されるさまざまな苦悩を超え、永遠の至福という勝利を獲得すること、それは個の魂の解脱として、また私たちの生きる目的として、時を超え説かれてきたものです。
クリシュナの言葉に導かれ、自身の心に打ち勝つアルジュナの姿は、まさに神との結合を象徴しています。この神の詩が今に生きるのは、決して変わることのない真実が記されているからであり、私たちを永遠の至福へと導いてくれるものに他ありません。
こうして訪れる祝福の時、改めてその真髄に触れ、気づきを深めたいと感じています。自分自身の生きる目的を見失わないよう、この神の詩を、自身の内に生かすことを今日も努めています。
(文章:ひるま)
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