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雑記帳

救済の真言

Varanasi heilige Stadt in Indien

インドでは先日、私たちのあらゆる罪を清め、究極の解脱を授ける存在として崇められるガンジス河の生誕祭が祝福されました。ガンジス河は、ヒマラヤ山麓からベンガル湾に注ぐまで、全長2500kmを超える大河です。その間には数多くの聖地が存在し、救いを求める人々を絶えず引き寄せています。

そんな聖地の中で、古くから人々の中心にあり続けるのが、ワーラーナシー(ヴァラナシ、ベナレス、カーシーなどとも)です。解脱を授ける聖なる地として、今もなお、ここで死すことを求め世界中から人々が訪れます。何度インドを訪れても、生と死が入り混じるこの地には、生きることの意味について気づかされることが多くあります。

朝から晩まで、死者を荼毘にふす煙が立ち込めるマニカルニカー・ガート。ガンジス河に面した火葬場があるこのガートには、シヴァ神が死者たちの耳元に捧げるターラカ・マントラ(救済の真言)が響き渡ります。輪廻の海を渡る私たちは、このターラカ・マントラにより救われ、解脱へ導かれると信じられています。

輪廻転生の思想が深く根付くインドの世界。私たちがこうして生まれるのは、前世における欲望が原因であると一説に伝えられます。欲望がなくならない限り、私たちは生まれ変わりを続け、この物質世界で苦しまなければなりません。

聖典バガヴァッド・ギーターは、私たちが最後に肉体を手放す時、常々思うことが心に浮かび、その思った通りの場所に辿り着くと説いています(バガヴァッド・ギーター8章6~7節)。永遠不変の存在である神々を思い続ける時、私たちは輪廻の海を越え、絶対の至福に辿り着くことが可能となるに違いありません。

死す時、心に何が浮かぶのか。マニカルニカー・ガートに響くターラカ・マントラは、欲望に苛まれる私たちの思いを清め、神々の元へと辿り着くよう、慈悲深いシヴァ神が差し伸べる救済の真言です。この救済を求め、世界中から人々がこの地へ巡礼に訪れます。

常日頃、永遠不変の存在を思うこと。それは、私たちが生きる日々の一瞬一瞬において実践可能な修練の一つに他ありません。インドの地は、時を越えて、生きる真の意味を私たちに示し続けているように思います。

(文章:ひるま)

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