第27回アンナダーナにお気持ちを寄せていただきました皆さま、本当にありがとうございます。
病院では、7回目の実施となりました。
まだ40度を超える酷暑期が続いている北インドでは、アンナダーナを実施した日、深刻な大気汚染が起きていました。
デリーの大気汚染は空気が停滞する冬がメインとなりますが、今回はラージャスターン州で発生した砂嵐がデリーまで影響を及ぼし、現在でも注意するよう伝えられています。
周囲が見えないほどの靄がかかり、不必要な外出は控えるように伝えられるほどでした。
しかし、生活を止めることはできません。
仕事を行い、病院に行き、厳しい環境の中でも、人々は日常と変わらない日々を過ごしています。
重たい靄がかかる中、アンナダーナも朝から食事作りが始まります。
酷暑期は清潔な水を得ることが難しくなるデリーでは、今回も調理用の水の確保に苦労しました。
どうにか食事を作り終え、病院へと向かいます。
しかし、いつも配る場所へ到着すると、駐車禁止となっており、トラックを止めることができません。
詳しい理由を尋ねることができなかったのですが、どうやら、前々首相がAIIMS病院に入院し、セキュリティの関係で周辺の駐車が広く禁止されていたようでした。
交通警察の方にスタッフが事情を説明すると、言葉の訛りから警察の方がスタッフと同郷だと分かり、特別に駐車と食事の配給を許してくださいました。
広大な地で、さまざまな思想や文化が入り混じるインドでは、同郷の人と出会うと、自然と仲良くなることが多くあります。
こうした人と人との繋がりがとても重要な意味を持ち、絶妙なバランスでインドの社会を動かしています。
いつもと配る場所は異なりますが、おかげで病院の周囲で食事を配り始めることができました。
通常、病院の周囲ではアンナダーナが複数実施されていますが、今回は他に実施をしている人々がいなかったため、配給時に混乱するほどで、15時前には用意をした1000食分以上を配り終えることができました。
食事作りでは、調理用の清潔な水を得られなかったため、写真係が水を集めに動きました(水色の容器)。
配膳の際は、先にお皿を配り、列に並んでもらいます。
暑く、どんよりとした空の下、皆さん静かに並んでくださいます。
十分なスペースがなかったため、立ち食いの状況になってしまいました。
交通警察の方。定期的に実施していることを伝えると、何かあったら連絡してと、連絡先まで教えてくださいました。
インドには、明日の食事を得られるかも分からない人がまだ多くいます。
今まで、酷暑期にこのような大気汚染が起きることは稀でした。
今年は既に突発的な嵐が頻発し、北インドでは多くの人々が命を落としています。
刻々と変化する自然環境に、真剣に向き合わなければならないと感じます。
次の一瞬に何が起きるかわからないインドの日常。
この日にアンナダーナを実施できたことも、とても大きな意味があると思います。
皆様の温かいお気持ちが生きていることに気づかされています。
次回は、寺院でのアンナダーナを予定しています。
次回も温かいご協力のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
アンナダーナを通じ、皆様にも大きな恩寵がありますように。
(スタッフ:ひるま)
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