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雑記帳

破壊神への祈り

八年前、マハーシヴァラートリを終え、新たな芽吹きの季節を享受していた時のことでした。
世界中が祈りに包まれた、あの大震災が起きたことを思い起こします。
破壊神として私たちを新たな秩序へと導くシヴァ神に、心からの祈りを捧げたことを今でも忘れません。

破壊神であるシヴァ神には、トリプラーンタカという別名があります。
その名は、悪魔によって支配された、天、空、地に浮かぶ三つの都市(トリプラ)を、シヴァ神が滅亡(アンタカ)させたことに起源があります。
その神話は、今を生きる私たちに、多くのことを伝えています。

トリプラをそれぞれ支配した三人の悪魔は、苦行によって力をつけ、三つの都市は一本の矢にしか滅ぼされないという恩恵を手にしていました。
それぞれ異なる次元に浮かぶ三つの都市を、一本の矢で破壊することは不可能のように見えました。

しかし、悪魔によって支配された世界には悪がはびこり、神々は破壊神であるシヴァ神に助けを求めます。
シヴァ神は時期をうかがい、三つの都市が一列に並んだ一瞬の時に、一本の矢を放ちました。
矢は三つの都市を貫通し、激しく燃え尽きると、都市は破壊され灰となります。
その灰で、シヴァ神は額に三本の線を描きました。

異なる次元にある三つの都市は、例えば、過去、現在、未来のような、移り変わる時の流れのように見えます。
決して一つにならないその時間のなかで、私たちの心は揺れ動き、真実を見失うことも少なくありません。
そうして無知の暗闇に落ちる私たちは、欲望や執着が生み出す悪の中でもがき続けています。

しかし、時を超越した存在であるシヴァ神に心を定める時、私たちは今という一つの瞬間のみに結びつきます。
それは、創造、維持、破壊に逆らうことなく、その法則に則って動き続ける、大自然に調和することにも他ありません。
そうして一人ひとりが今という瞬間を懸命に生きる時、そこから生まれる未来や過去に、悪が存在することはないはずです。

今年は3月4日に、マハーシヴァラートリが祝福されます。
今この時、シヴァ神と向き合い、今という瞬間を真摯に生きることに心を定めたいと感じます。
それは、今を生きる私たちの努めであり、シヴァ神が願う世界の安寧のために、一人ひとりがすべきことでもあるに違いありません。

(文章:ひるま)

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