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雑記帳

カルキ神と悪魔のカリ

ヴィシュヌ神の10番目の化身として、カリ・ユガの最後に白馬に乗って現れると信じられるカルキ神。
悪をすべて滅ぼし、新たな世界を築くとされるカルキ神は、シュラーヴァナ月(7~8月)の新月から6日目に誕生すると信じられます。
2021年は8月13日がその日にあたり、降誕祭となるカルキ・ジャヤンティーが祝福されます。

カルキ神が倒す悪とは、非常に恐ろしい悪魔とされるカリです。
現代は、このカリが頂点に君臨するカリ・ユガにあたります。
カルキ・プラーナに記されたこのカリの生まれを辿ると、恐ろしい悪魔としてのその姿をはっきりと見ることができます。

カリの生まれは、破壊が終わった後、創造神であるブラフマー神から人格化した罪が現れたことに始まります。
現れた罪の名前は、アダルマ(不正)でした。
アダルマはミティヤー(不道徳)という妻を持ち、アダルマとミティヤーからは、ダンバ(虚偽)という息子と、マーヤー(幻想)という娘が生まれます。

ダンバとマーヤーからは、ローバ(貪欲)という息子と、ニクリティ(悪意)という娘が生まれました。
ローバとニクリティからは、クローダ(憤怒)という息子と、ヒンサー(暴力)という娘が生まれます。
そして、クローダとヒンサーから生まれたのが、息子のカリでした。

カリはドゥルクティ(暴言)という妹を持ち、カリとドゥルクティからは、バヤ(恐怖)という息子と、ムリティユ(死)という娘が生まれます。
バヤとムリティユからは、ニラヤ(地獄)という息子と、ヤータナー(苦痛)という娘が生まれました。
そして、ニラヤとヤータナーからは、1万もの子どもが生まれたと伝えられます。

こうしてカリの生まれを辿ると、カリの家族がダルマを破壊するために、どのように振る舞うかを見ることができます。
近親交配によって自らの家族を拡大しながら悪を伝播していくカリの家族は、まさにあらゆる悪が生まれるところです。

カルキ神としてヴィシュヌ神が現れる理由は、世界に蔓延るこうした悪をすべて滅ぼすことにあります。
私たちは、悪を生み出すことがないように、ヴィシュヌ神を崇め自分自身の神性を育みながら、こうした悪の傾向に注意しながら日々を生きることが大切です。
その時、自分自身がカルキ神となって、世界を悪から救うことができるはずです。

(文章:ひるま)

参照:Sri Kalki Purana

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