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雑記帳

宇宙の主の愛

愛らしい表情で私たちを神妙な世界に引き込むジャガンナータ神は、カリ・ユガに現れたといわれるヴィシュヌ神の化身です。
そんなジャガンナータ神が兄のバララーマ神と妹のスバドラー神と共に祀られる聖地プリーの寺院は、崇高なインドの文化の中でとりわけ多くの神秘が伝えられる寺院として知られます。
そのひとつに、寺院で捧げられるプラサーダにまつわる神秘があります。

複数の鍋を積み重ねて調理されるジャガンナータ寺院のプラサーダは、上の鍋が最初に調理され、火に直接あたる下の鍋が最後に調理されるといわれます。
そして、数多の巡礼者が訪れる寺院では、その調理されたプラサーダが足りなくなることはなく、無駄になることもないといわれます。
このプラサーダには、ラーマ神にちなんだ美しい言い伝えが伝わります。

ヴィシュヌ神がトレーター・ユガにおいて化身したラーマ神は、アヨーディヤー王国の王子でした。
しかし、ラーマ神は王国を追放され、森を転々として14年間を過ごすことになります。
その間、妻であるシーター女神を羅刹王のラーヴァナに誘拐され、激しい戦いを繰り広げなければなりませんでした。
その道中を共に過ごし、ラーヴァナを倒すために奮闘したのが弟のラクシュマナです。

戦いに打ち勝ち、アヨーディヤー王国へと凱旋したラーマ神は、そんなラクシュマナの献身の姿勢を讃えます。
加えて、14年間を王国でひとり待ち続けたラクシュマナの妻であるウールミラーを讃え、影の力となったウールミラーにも王座を与えようとしました。
しかし、ウールミラーはそれを拒み、王座ではなく神に仕える機会が欲しいといいます。
そして、自分自身はお香の香りのように、皆に神の恩寵を広める存在でありたいと伝えたといわれます。

ラーマ神は、その姿勢に感銘を受けます。
そして、後のカリ・ユガでは、ラーマ神は宇宙の主という名のジャガンナータ神の姿になり、ラクシュマナはバララーマの姿になって、共にジャガンナータ寺院で祀られることを伝えます。
ウールミラーは、そこで配られるプラサーダになって、皆に豊かな恩寵を広げるだろうと約束したといわれます。

祈りが廃れるというこのカリ・ユガの時代、ウールミラーは、宇宙の主として遍在する神の愛を示す、偉大なジャガンナータ神の恩寵を広め続けています。
それは、忍耐や犠牲に見られるウールミラーの美しい力なしに可能になることではありません。

火からもっとも遠い鍋が最初に調理されるように、忘れられた王女とも呼ばれたウールミラーが私たちに神の恩寵を気づかせるように、広く行き渡って存在する偉大な愛を感じ取りながら、日々を生きることを努めたいと感じます。
ジャガンナータ寺院は、こうした神秘を通じて、私たちに大切な教えを示し続けています。

(文章:ひるま)

参照:Story of Mahaprasad - Godess Urmila

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