インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
प्रह्लादश्चास्मि दैत्यानां
prahlādaścāsmi daityānāṁ
プラフラーダーシュチャースミ ダイティヤーナーン
私は悪魔におけるプラフラーダである
prahlādas【男性・単数・主格 prahlāda】[~は、~が]快い興奮、喜びの感情;[敬虔なあるダイティヤの名(=プラフラーダ)]
ca【接続詞】そして、また、~と
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する
daityānām【男性・複数・属格 daitya】[~らの、~らにとって]ディティの後裔、アスラまたは悪魔とくにラーフ;
कालः कलयताम् अहम् ।
kālaḥ kalayatām aham |
カーラハ カラヤターム アハム
私は駆り立てるものにおける時間である
kālas【男性・単数・主格 kāla】[~は、~が]時;機会;季節;食事;時間;年、時代;音律;運命;死;死の神
kalayatām【男性・複数・属格 kalayat(√kalの現在分詞)】[~らの、~らにとって][~している]強いる、促す、駆る;持つ、帯びる;為す、成就する;言う;附す、結ぶ;観る、凝視する;反省する;信用する、考える
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私
मृगाणां च मृगेन्द्रो ऽहं
mṛgāṇāṁ ca mṛgendro ‘haṁ
ムリカーナーン チャ ムリゲーンドロー ハン
私は獣類における百獣の王である
mṛgāṇām【男性・複数・属格 mṛga】[~らの、~らにとって][mṛj:歩き回る]森の獣、野獣、猟獣;鹿、かもしか[通常の意義];じゃこう鹿;(月中の)かもしか[月の黒点は野兎またはかもしかに似ると考えられている];(天空の)かもしか[=月宿ムリガシラ];磨羯宮[十二宮の一];象(の一種);舞い上がる大きな鳥;じゃこう(=mṛganābhi)
ca【接続詞】そして、また、~と
mṛgendras【男性・単数・主格 mṛgendra】[~は、~が]獣類の王;獅子;虎;獅子宮[十二宮の一]
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私
वैनतेयश्च पक्षिणाम् ॥
vainateyaśca pakṣiṇām ||
ヴァイナテーヤシュチャ パクシナーム
そして鳥類におけるガルダである
vainateyas【男性・単数・主格 vainateya】[~は、~が][vinatāから][ガルダの母系語];ヴィナターの息子、ガルダ
ca【接続詞】そして、また、~と
pakṣiṇām【男性・複数・属格 pakṣin】[~らの、~らにとって]鳥;翼をもつ動物 【形容詞】翼のある;(―゜)の味方をする、~の仲間に属する
प्रह्लादश्चास्मि दैत्यानां कालः कलयतामहम् ।
मृगाणां च मृगेन्द्रोऽहं वैनतेयश्च पक्षिणाम् ॥३०॥
prahlādaścāsmi daityānāṁ kālaḥ kalayatāmaham |
mṛgāṇāṁ ca mṛgendro’haṁ vainateyaśca pakṣiṇām ||30||
私は悪魔におけるプラフラーダ、駆り立てるものにおける時間、
そして獣類における百獣の王、鳥類におけるガルダである。
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