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雑記帳

心の行方

体にも心にも浄化を促すヨーガの行いを真摯に続ければ、ある時、体の中で発する美妙な音を聞くことができるようになると、ヨーガの教えは伝えています。そして、その音に心を定め、決して離れることなく瞑想に努めれば、いつしか心は音の中に消滅していくのだと言います。(ハタ・ヨーガ・プラディーピカー四章)
その音がある場所、それが風の要素を持つ四番目のチャクラ、「アナーハタ・チャクラ」です。「破られない」という意味を持つこのチャクラは胸の奥深くで、心臓がその鼓動を止めないように、妙音を奏で続けています。また、「心の座」とも言われるように、ここは情が溢れ愛が満ちる場所でもあります。
アナーハタ・チャクラの瞑想法の中で語られる、「音と一体となる時に心は消滅する」という教えを深く理解したある物語があります。ライラと言う女性を愛し続けたある若者が、その愛に狂いマジュヌーン(狂人)と呼ばれるようになる古典の悲恋物語、「ライラとマジュヌーン」。インドでも誰もが知るように有名な愛の物語です。
さまざまな形でその愛のあり方が描かれるこの物語について、あるスワミジはこう物語ってくれました。「ライラを片時も忘れることなく、いつの時も、いつの時も思い続けたマジュヌーンの心は、いつしかライラと一体となり、自分がライラだと言いながら消えていった」と。
この物語は自己を超えた愛を示し、それはまた、ヨーガの中で語られる究極の境地「三昧」の他ありません。心がある対象に完全に定まった時、「私」という主観は全く無いかのように感じるものだと言われます。ライラは神と同じです。ライラを愛するように、常に神を想い愛することで「私」は神の中へと消えていきます。神と一体になる時です。
インドでは、音は宇宙の根本原理だとも伝えられています。決して破られることはない、始りもなく終わりもないその音は、私たちの胸の奥、愛で満たされたその場所で今も鳴り響いています。その音の中へと深く入り込み「私」が消滅する時、宇宙の根本原理である最高のものと一体となることを可能にしていきます。自分自身が愛であり、神であり、大切なものそのものであると、その時気づくことができるに違いありません。
(文章:ひるま)

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