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アーサナ

薪のアーサナ

シヴァ神の最初の妃として崇められるサティーは、シヴァ神を心から愛したことで知られます。
しかし、父親のダクシャからは結婚を反対され、ダクシャが催した供犠祭においてはシヴァ神に対する侮辱を受けるほどでした。
こうした扱いに耐えることができなかったサティーは、自らを聖なる炎によって焼き尽くします。
より崇高なもののために、もっとも大切なものを捧げるその犠牲の精神には、心を揺さぶられます。

サティーがそうして身を捧げた炎は、不浄な影響を取り除き、罪を清める力があると信じられてきました。
人々が捧げる祈りは、火を通して神々へ運ばれるとも伝えられます。
崇高なものと私たちを繋ぐ架け橋であるその火を、インドでは人々が欠かさずに灯し続けています。

ヨーガには、そんな火に関するポーズの実践があります。
アグニスタンバーサナと呼ばれるそのポーズは、薪のポーズとして知られます。
焚き火の薪を積むように足を組む座位のポーズです。

このポーズでは、まず左膝を曲げ、脛が骨盤と平衡になるように足を床に置きます。
そして、曲げた左足の上に、同様に曲げた右足を乗せます。
この時、左膝の上に右のかかとが、右膝の下に左のかかとがくるように曲げた足の位置を調整します。
また、足裏は床に対して垂直になるようにします。
この姿勢で手を床につき、ゆっくりと呼吸を行いながら、前屈をしていきます。
反対側も同様に繰り返します。

このポーズの実践は、股関節をはじめとする下半身を柔軟にし、骨盤の歪みを調整する働きがあるとされます。
一方、下半身の柔軟性がないうちは強い痛みを感じ、実践には困難を伴うポーズでもあります。
しかし、その過程では下半身がじんわりと温かくなることを感じることができます。
これにより、内臓の働きが活性化し、消化が良くなることが伝えられてきました。
こうして体内に生まれる火にも、このポーズが薪のポーズと名づけられた理由があるとされます。

それは、このポーズが自分自身を護摩壇として火を熾す実践であることを象徴しています。
そこで燃え上がる火は、内なる世界を浄化し、清らかな心身を生み出してくれるものです。
より崇高なもののために自分自身を捧げ結ばれる機会を、このポーズは与えてくれています。

サティーがそうしたように、私たちも日々の中でこうした実践に自分自身を捧げ、究極の存在と一体になる学びを深める必要があります。
そうして巡る日々は、私たちの歩みを清め、シヴァ神と結ばれる至福を与えてくれるに違いありません。

(文章:ひるま)

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